はじめに

数多くの企業に対してFTA/EPA原産地管理業務のアドバイスをしていますが、社内での業務プロセスが整備されておらず、現場の担当者任せになってしまっているというケースが多く見られます。利用可能なFTA/EPA自体の数も増え、また、根拠資料が十分に整備されていなくとも、最近のFTA/EPAの多くは自己証明方式の導入により(日本商工会議所の審査を経ずして)手軽に申告さえすればFTA/EPAが利用できるようになってきているため、通関後に行われる検認での否認(追徴)リスクは高まってきていると言えます。現場任せからの脱却を図り、組織横断的な業務プロセスの構築・導入を通じ、組織的な取り組みとしてコンプライアンスリスクに対処することが求められています。  

 

FTA/EPA原産地管理業務における関係者とその役割

FTA/EPA証明担当者(担当課又はユニット)を設けている企業もありますが、未だそこまで多くは無いという印象です。通常は、海外の輸入者(顧客)側からの要求に基づき原産地証明書を用意することが多いことから、顧客窓口である営業部門が取りまとめの役割を担っているケースが多いでしょう。

輸出製品の原産地証明書を取得するまでのステップは長い道のりとなります(詳細なステップは「EPAの使い方、原産地証明の取得方法」をご覧下さい)。その過程での作業は、営業部門が通常有している情報のみでは根拠資料を整備することができません。

まず、輸出製品の生産工程や、生産に用いた総部材表などの生産情報が判定の基礎情報として必要となります。これら生産に係る情報は生産部門、或いは設計部門から正しい情報を共有してもらう必要があります。この生産情報を基に、根拠資料のベースとなる対比表や計算ワークシートの箱を用意することができます。

次に、輸出製品に求められる品目別規則を確認し、関税分類変更基準(CTC)ルールを適用する必要がある場合には、先ほど用意した対比表の箱に、輸出製品及び部材に対してHSコードを付番します。これには、物流部門、フォワーダー又は当社のような第三者の通関専門家の協力が必要になるでしょう。品目別規則確認の結果、付加価値基準(VA)ルールを適用する場合には、投入部材の購入単価が必要になります。適正な購入単価は、調達部門又は経理部門から正しい情報を共有してもらう必要があります。

関税分類変更基準、付加価値基準いずれのルールであっても、サプライヤーからの原産情報(サプライヤー証明書)を取り付ける必要がある場合があります。サプライヤーとの調整は、調達部門の協力が必要でしょう。

この他にも、企画部門(経営企画やSCMなど)は、FTA/EPAの戦略的活用(効果検証)等を行い、全社的な方針を検討することがありますし、その他内部統制又は法務部門などは、導入される業務プロセスの社内検認等を担うといったことも考えられます。

このように多岐に渡る関係部門を誰が調整、取りまとめ、証明を行い、どこにエビデンス情報を保管して管理するのかといったことを社内ルールとして決めておく必要があります。  

 

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改善へのステップ

現状の業務プロセス、各部門機能、業務所掌、情報の所在を把握するAs-Is分析から始めます。次に、実務的に運用可能なTo-beの業務プロセス、実施体制を検討します。当社は、数多くのクライアントに対してFTA/EPAの原産地業務上のアドバイスを行ってきた経験から、各社が抱える共通課題や、業界のベストプラクティスにも精通しており、個別企業の状況を勘案した上での最適なTo-beの業務プロセスの提案が可能です。また、FTA証明ユニットの設立などの組織改編も有用です。

業務プロセスに関しては、基本的にはエクセル等を用いたマニュアルベースでの業務プロセス整備に取り組むことで十分に対応できるケースが多いのですが、原産地管理上の煩雑さによってはオートメーション(ITシステム)などを用いるのが良いケースもありますので、個々のケースに応じて最適解を検討いたします。

To-beの業務プロセスが固まったら導入、試行を通じて改善に取り組み、社内ルーティーンとして定着できるように業務プロセス/ワークフロー文書、(各部門の役割に基づく)マニュアル整備を行います。そして、社内でモニタリングを適切に実施できるように、社内検認実施へのアドバイスなどをモニタリングを担う担当部門に提供します。  

 

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当社の強み

当社は、関税関連業務の専門性(品目分類(HSコード)、FTA原産地管理、関税評価等)を有し、FTA/EPAの業務管理上求められる各協定の原産地ルール、その他関係法令等のコンプライアンスに基づき適正なアドバイスが可能です。また、数多くのクライアントに対してFTA/EPAの原産地業務上のアドバイスを行ってきた経験から、各社が抱える共通課題や、業界のベストプラクティスにも精通しており、個別企業の状況を勘案した上での実務に則した提言、ハンズオンでのサポートが可能です。

実績例:

(1) ITソルーション導入に伴うFTA原産地管理業務プロセス整備プロジェクト

(2) 本邦及び海外の生産拠点におけるFTA原産地管理業務プロセス整備プロジェクト

(3) 原産地管理の専門ユニットの立ち上げ支援

(4) 日本商工会議所からの原産地証明書取得及び根拠資料整備実務代行

(5) 輸出又は輸入の自己申告書類整備とEPA適用

 

YouTube – EPA/FTA 自由貿易協定の使い方、原産地管理、原産地証明の取得方法(実践ステップ編)

 

 

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当社のFTA/EPA 特定原産地証明書 取得支援サービス(根拠資料の整備代行サービス)

大まかには以下のような役割分担のもと、特定原産地証明書の取得サポートをしております。基本的にはお客様からは情報提供のみで、それを基に当社の方で、原産地証明書取得に必要なアプローチを検討し、根拠資料の整備を代行いたします。

その後、日本商工会議所のシステム上で行っていただく作業のガイダンスを提供いたしますので、同ガイダンスに基づきお客様の方で証明書発行をするという流れとなります。

プロフェッショナルな専門家コンサルタントに外注することで御客様の業務負荷も抑えられますし、安心してFTA/EPA利用を実現することができます。是非ご活用下さい。

  お客様に対応/提供いただく内容 当社がサポート可能な内容
1. 輸出製品のHSコード確認 ・輸出製品情報 ・HSコードの妥当性確認
2. 税率の確認 ・通常税率 vs. FTA特恵税率比較作業
3. 原産地/品目別規則の確認 ・原産地/品目別規則の確認
4. 品目別規則に基づく根拠資料の作成

[全般]
・製造BOM(構成部品表)
・完成品が部品表に記載された部材で製造されたことを説明できる書類(生産工程表、組図等)

[関税分類変更基準で進める場合]
・部品の製品情報、価格情報(デミニマス利用の場合)

[付加価値基準で進める場合]
・輸出製品のFOB価格
・構成部品の購入価格

[サプライヤー証明書の取得が必要な場合]
・サプライヤーとの連絡調整

[全般]
・最適なアプローチの検討

[関税分類変更基準で進める場合]
・部品のグルーピングの検討
・部品へのHSコード付番
・根拠資料(対比表等)の作成

[付加価値基準で進める場合]
・原産地観点から正しい販売価格、購入価格かどうか検証
・根拠資料(計算ワークシート等)の作成

[サプライヤー証明書の取得が必要な場合]
・サプライヤーへの説明、根拠資料、サプライヤー証明書作成支援
5. 日本商工会議所関連作業①企業登録 ・企業登録
6. 日本商工会議所関連作業②原産品判定依頼 ・日商システムを通じた申請、受け答え ・日商からの質疑への対応サポート
7. 日本商工会議所関連作業③原産地証明書発給 ・日商システムを通じた発給手続き

 


[FTA/EPA関連サービスページ]

SKアドバイザリーのFTA/EPA・関税サービス

FTA/EPA原産地管理の業務プロセス整備、社内体制構築サポート

HSコード(品目分類/税番分類)の判定サービス

EPA/FTA 顧問サービス

FTA/EPA 特定原産地証明書の取得/自己申告支援サービス

FTA/EPA 簡易ヘルスチェック | 現状診断と課題抽出

 

[FTA/EPA関連ナレッジページ]

EPA/FTA 自由貿易協定の使い方、原産地管理、原産地証明の取得方法

FTA-1ポイント:品目別規則(PSR)

FTA-1ポイント:関税分類変更基準(CTCルール)

FTA-1ポイント:付加価値基準(VAルール)

FTA-1ポイント:必要となる根拠資料

FTA-1ポイント:証明方式の違い(第三者/自己証明等)

FTA-1ポイント:生産情報の重要性について

FTA-1ポイント:検認 verification

FTA-1ポイント:インド向けEPA対応

FTA/EPA 参考情報まとめサイト

 

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