税関事務管理人(ACP)とは?
税関事務管理人(ACP:Attorney for Customs Procedures)とは、日本に拠点を有しない国外事業者(非居住者)に代わり、税関手続きを代理して行う者です。
日本に貨物を輸入するには輸入者(IOR:Importer of Record)が必要となりますが、国内に事務所等を有しない国外事業者(非居住者)は、原則として自らを輸入者として輸入手続きを進めることはできません。
しかしながら、自らの代わりに税関手続きを行う税関事務管理人(ACP)を選任することで、国外事業者(非居住者)であっても自らを輸入者(IOR)として輸入手続を行うことが可能になります。
税関事務管理人は、輸入者となる国外事業者(非居住者)の代理として各種税関手続きを進めるために、各種法令確認、輸入に必要な書類の準備、税関やフォワーダー・通関業者等の関係者との連絡・調整を通じ、輸入を円滑に完了させるという役割を担います。
国外事業者が日本から輸出する場合
国外事業者(非居住者)が日本から貨物を輸出したい場合についても、同様の考え方が適用されます。
原則として、国外事業者(非居住者)は日本からの輸出において、輸出者(EOR:Exporter of Record)として輸出手続きを進めることができません。しかし、税関事務管理人(ACP)を選任することで、国外事業者(非居住者)自らを輸出者(EOR)として輸出手続きを進めることができます。
輸入消費税の納税管理人との関係
上記の輸入に関する説明は、理解しやすさを重視し、主として関税法の観点から説明したものです。
厳密にいうと、国外事業者が貨物を輸入する場合(消費税法上の「課税貨物を保税地域から引き取る場合」)、税関長に対し、関税法に基づく輸入申告に加え、消費税法に基づく輸入消費税の申告納付を行うことになります。
このため、国外事業者(非居住者)は、関税法に基づく輸入申告手続きの代理人である「税関事務管理人(関税法95条)」と、輸入消費税の申告納付を行う代理人である「納税管理人(国税通則法117条)」を定める必要があるということになります。
これら二つの代理人は、法律上は別個に選任することも可能ですが、実務上は、「税関事務管理人兼消費税等納税管理人」として同一の者を選任するのが一般的です。すなわち、税関事務管理人を担う者が、輸入消費税の納税管理人としての役割を担います。
なお、ここでいう納税管理人は、あくまで輸入時の輸入消費税について、税関長に対して申告納付を指します。国外事業者(非居住者)が、輸入後に日本国内で行う消費税申告(税務署への申告納付)については、別途、税理士を中心とした納税管理人を選任する必要があります。
税関事務管理人(ACP)の届出資格
本邦に住所又は居所(法人にあっては本店又は主たる事務所)を有する者であれば、税関事務管理人になること自体は可能です。しかし、関税関係法令のプロフェッショナルでないと適正に対応することは難しいでしょう。輸入手続き・関税関係法令に関する正しい知見・実務経験がないと問題が起きてしまう可能性が高く、素人に依頼するのは御勧めしません。通関業法に抵触する法令違反も生じさせる可能性もあります。通関を適切に手続きを進めることができずに結局輸入通関が通らず、貨物を発送国に送り返されたという例もよく聞きます。勿論その場合、輸入できないどころか返送料、保管料等の不要なコストが発生します。そういったトラブルが発生したときの責任を負うリスクも生じます。
法令遵守して輸入するためには、税関事務管理人(ACP)が責任をもって輸入貨物の税番(HSコード)、関税率、関税評価(輸入申告価格)、原産地、他法令規制、帳簿保存義務(事後調査対応)などについて確認し、責任をもって税関各部門と協議する必要があります。
2023年10月の税関の制度改正(関税法基本通達の改正)により「輸入者の意義」が明確化され、一定の条件を満たさなければ輸入者として認められないこととなりました。そもそも輸入者になろうとしている外国法人・非居住者が、関税法上の「輸入者」として認められる条件を満たしているのか、その点の確認が必要です。依頼元である外国法人・非居住者が「輸入者」の要件を充足しなければ、その代理人たる税関事務管理人の存在も認めてもらえません。
輸出に関しては、輸出貨物・取引が安全保障貿易管理(輸出管理)上の規制物品、規制取引でないか確認を行い、輸出通関に必要となる判定結果書類(該非判定書等)を準備し、必要に応じて経済産業省から許可を取得するといった法令対応が求められます。外為法、輸出令、外為令、貨物等省令等で定められた、主にはリスト規制とキャッチオール規制へのコンプライアンス対応が必要になり、遵守できていない場合の罰則規定も有ります。
当社の特長
当社は、通関と税務の交差点にある複雑な課題にも精通しており、両面から実務的にご支援できることが、他社にはない大きな強みです。関税と国税の密接な関係を的確に理解し、包括的に対応することは、国際取引において極めて重要です。
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税関事務管理人(ACP)の届出の手続き
税関事務管理人(ACP)制度を利用するにあたり、届出書(税関様式C第7500号)を所轄税関に提出する必要があります。届出書とともに提出が必要な他関連書類に、以下のようなものがあります。
- 委任状(又は、委任等の契約がある場合は、その契約の内容を明らかにする書類)
- 届出者の存在を確認する書類(海外の登記簿、住民票等)
- 税関事務管理人の存在を確認する書類(履歴事項全部証明書等)
- 商流・取引フロー図
- 輸入貨物の概要が分かるもの
- 輸入申告価格の決定方式(適宜、税関評価官と相談の上決定)
- BL、インボイス
- 帳簿保存要領
- 規制物品でないことの説明資料、など
税関事務管理人(ACP)が提出書類を取りまとめ、税関に相談・届出の手続きを行います。届出手続きとともに、貨物の税番(HSコード)、関税率、関税評価、原産地、他法令規制などの確認を行います。必要に応じ、税関や他法令の関係省庁に事前教示を行い法令遵守に取り組みます。
通常、届出手続きは2週間程度で完了しますが、手続きに必要な書類が揃わなかったり、税関との事前協議が円滑に進まない場合には数カ月程度かかるということも有り得ます。実際にそのような話も伺いました。当社では、概ね2週間程度で届出手続きを完了させています。
日本税関の制度改正(輸入者の意義の明確化)
2023年10月1日からの制度改正により、税関事務管理人(ACP)を利用して外国法人自らが輸入者(IOR)にならなければならない(他の者を名義上だけ輸入者とすることは認めない)ケースが増えています。
例えば、外国法人自らが輸入者(IOR)とならずに、何ら売買にも関与しないフォワーダー・通関業者その他第三者を輸入者(IOR)に名義上仕立てている場合、輸入者として認められない可能性が高く、注意が必要です。
改正の内容(輸入者の定義)を踏まえると、基本的に輸入者になれる者は以下のいずれかである必要があります。
(1) 通常の海外の売手と日本の買手による売買取引(輸入取引)による輸入:荷受人等
(2) (1)以外の形態で輸入する場合:
- 輸入申告時点において、「輸入後の貨物の処分権限を有する者」 又は、
- 「輸入の目的たる行為を行う者(以下例示)」
・ 賃貸借契約に基づき輸入される貨物は、当該貨物を賃借して使用する者
・ 委託販売のために輸入される貨物は、当該貨物の販売の委託を受けて自己(受託者)の名義をもって販売する者
・ 加工・修繕のために輸入される貨物は、当該貨物を加工・修繕する者
・ 滅却するために輸入される貨物は、当該貨物を滅却する者
当社(SKアドバイザリー株式会社)は税関事務管理人のプロフェッショナルとして数多くの外国法人の代理人として輸出入のサポートをしております。
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税関事務管理人を利用した場合の輸入申告価格の決定方法(関税評価)
海外の売手と日本の買手がいて、その買手が輸入者となる売買取引による輸入(関税法上の「輸入取引」)の場合、その取引価格をCIFベースに調整した価格を申告価格とすることが可能です。これを原則的な決定方法と言います(関税定率法第4条第1項)。
しかしこの原則は、非居住者自らが輸入する場合には利用することができません。(日本に拠点を有する者が買手となる売買取引がある場合にのみ「輸入取引」が成立しますので、日本に拠点を有しない非居住者が単に資産を日本に移動するのは「輸入取引」とはなりません)
そのような場合には、原則的考え方に基づき課税価格を決定することができないため、関税定率法上の規定に基づき、例外的な申告価格決定方式に基づき輸入申告価格を決定する必要があります(関税定率法第4条の2以降)。
例えばアマゾンFBA貨物の場合、その輸入申告価格は「例外的な決定方法」のうち、(関税定率法第4条の4、特殊な輸入貨物に係る課税価格の決定に基づき、定率法第4条の3の国内販売価格に基づく課税価格の決定方式を準用し、)国内販売予定価格から一定の国内発生費用(輸入時の関税及び消費税、Amazonに支払う国内費用等)を控除した価格方式、いわゆる逆算方式がよく用いられています。
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これまでに、世界40カ国以上・200社超のお客様(主に外国法人)の日本での輸出入を支援してまいりました。



