HSコードは、「商品の名称及び分類についての統一システムに関する国際条約(HS条約)」において、判定に関する規則や、6桁までの分類番号が決められています。なお、HSコードの決め方については「統一システムの解釈に関する一般的規則(General Rules for the Interpretation of the Harmonized System)」という分類規則において定められています。この分類規則に従って、各HS条約加盟国は、各国の国内法に基づいて7桁目以降の番号を決定しています。
日本においては、上記分類規則に則って(国内法・関税定率表の別表という位置づけとして)「関税率表の解釈に関する通則」を基礎としてHSコードの判定を行うこととしています。この通則では通則1から通則6まで規定されており、概要は以下の通りです。
- 通則1 基本原則
- 通則2 項(HSコードの上4桁)の範囲を拡大する規定
- 通則3 物品が二以上の項に属するとみられる場合の所属の決定方法
- 通則4 関税率表中に該当するとみられる項がない場合の物品の所属の決定方法
- 通則5 収納容器、包装材料及び包装容器の分類
- 通則6 項のうちのいずれの号(HSコードの上6桁)に物品が属するかを決定する方法
HSコード判定に用いる参考情報:
HSコード判定の際に用いる参考情報等について下記リンクを貼付します。
HSコードの調べ方について正確に把握するのは容易なことではありません。
一見名称だけ見ると品目表に当てはまっているように見えても、ルールに照らすと異なるHSコードが実は適切なものであったということが多々あります。
最終的なHSコードの判定については当社のような通関士有資格者、通関業者、有識者等に確認いただくのが安全です。
- 関税率表の解釈に関する通則
- 部注類注等及びこれらの解説、国内・国際例規
- 輸出統計品目表 / 輸入統計品目表(実行関税率表) ・・ 輸出入通関用であれば最新版、FTA/EPA用であればFTA/EPA協定ごとに定められた所定のHSバージョンに基づき確認
- 事前教示回答事例(日本) Customs Rulings Search System (US)
- 関税協会 web輸出統計品目表(検索用)
当社のHSコード付番サービス
当社では、輸出入貨物のHSコードの判定、FTA/EPA適用時(関税分類変更基準,CTC)に必要となる部品/材料のHSコードの分類・付番サービスを行っております。調べ方が分からないので心配といった場合には、ぜひお気軽にお声がけ下さい。
当社では通関士有資格者が対応しており、これまでに数千品目のHS付番を行ってきた経験があります。WCO/関税関係法令のルールに則ったHSコードの判定が可能です。ルールに則ってHSを付番することで、当局等から指摘が入った際にも適切に反論・対応することができます。曖昧にHSコードを付番せず、事後調査や検認等で否認されるリスクは未然に防ぐよう取り組むべきでしょう。
機械・機器の部分品か否か
お客様からよく相談を受ける内容として、84~85類の機械・機器製品の構成部品が、その製品の部分品か否かという論点が挙げられます。例えば上記に例示示してあるHSコード 8477.10(射出成形機)には、同項に HS 8477.90(部分品)というHSコードがあります。構成部品をすべてこの部分品に分類してしまうと、項 4桁レベルで変更が生じないため、FTA/EPAでの関税分類変更基準のうちCTH(4桁変更)を用いることができないので別のHSコードに分類することができないかという相談を頂きます。
確かに射出成形機の構成部品の全てが HS 8477.90(部分品)に分類されるわけではありません。大まかに言えば、その部品が専ら主として射出成形機に使用される部分品なのかどうか(HS第16部注)という考え方を基に検討するわけですが、各種規定を参照しながら慎重に判定を行います。例えば、72-83類のボルト、ナット等の卑金属製の汎用物品は同類に分類することが可能です。ベアリングやモーターと言った84~85類の他の項に特掲されている物品についても当該他の項に分類することができる場合があります。
当局などから「部分品のHSコードではないのか」と指摘された際に、ルールを参照しながら論理的に説明・反論をする必要がありますので、判定を行った際には判定根拠をしっかりと記録・保存しておきましょう。
EPA/FTA領域での当社の強み
当社は、関税関連業務の専門性(品目分類(HSコード)、FTA原産地管理、関税評価等)を有し、FTA/EPAの業務管理上求められる各協定の原産地ルール、その他関係法令等のコンプライアンスに基づき適正なアドバイスが可能です。また、数多くのクライアントに対してFTA/EPAの原産地業務上のアドバイスを行ってきた経験から、各社が抱える共通課題や、業界のベストプラクティスにも精通しており、個別企業の状況を勘案した上での実務に則した提言、ハンズオンでのサポートが可能です。
実績例:
(1) ITソルーション導入に伴うFTA原産地管理業務プロセス整備プロジェクト
(2) 本邦及び海外の生産拠点におけるFTA原産地管理業務プロセス整備プロジェクト
(3) 原産地管理の専門ユニットの立ち上げ支援
(4) 日本商工会議所からの原産地証明書取得及び根拠資料整備実務代行
[関税/貿易関連サービスページ]
移転価格調整への関税対応サポート | 関税評価上の取扱いの確認と修正申告支援
[関税/貿易関連ナレッジページ]
[FTA/EPA関連サービスページ]
FTA/EPA原産地管理の業務プロセス整備、社内体制構築サポート
FTA/EPA 特定原産地証明書の取得/自己申告支援サービス
[FTA/EPA関連ナレッジページ]
EPA/FTA 自由貿易協定の使い方、原産地管理、原産地証明の取得方法