更新 2024年8月20日 by SKアドバイザリー株式会社
はじめに
EPA利用時に日本商工会議所へ原産品判定依頼をすることができるのは、「輸出製品の生産者または生産者から提供された情報を有する輸出者」とされています。
一方、ものづくりの現場では、生産加工を別の会社に外注することは多々あります。例えば輸出者ではないメーカーで、設計・仕様を決定して材料も支給するが、生産工程は加工先に任せることがあります。このような場合において、確かに加工先は「生産者」であるものの、加工先に原産地判定依頼の業務も任せるというのはビジネス上依頼し難いということが往々にして発生します。
では誰が原産地判定依頼の業務を行えば良いのでしょうか。そのようなケースにおいて活用できるのが委託生産者という考え方です。つまり、前述のケースでは輸出者ではないメーカーが「委託生産者」となって原産品判定依頼を行うというものです。
原産品判定依頼資格者と委託生産者の位置づけ
上記にて述べておりますが、原産品判定依頼を行うことが出来るのは、産品の生産者または生産者から提供された情報を有する輸出者のみです。国内の卸売業など、輸出者でも生産者でもない企業は、原則、原産品判定依頼を行うことはできません。
他社に生産委託を行っている場合、産品の原産性を証明することができる一定の条件を満たせば、「委託生産者」として原産品判定依頼を行うことが可能です。ただし、輸出者として原産品判定依頼が可能な場合、委託生産者の対象にはなりません。
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委託生産者の要件
①生産に係る企画、仕様の決定を行っている
②原材料の調達、支給又は指定を行っている
③製造全般の管理・指揮等を行っている
生産者と同様に産品の原産性を証明できる委託生産者であることを確認するために、以上の3つの要件のいずれも充足する必要があります。要するに、原産地管理に必要な確かな情報を有しているか(有する立場にあるか)、という点がキーポイントとなります。
委託生産者であることのチェックシート及び誓約書
2022年4月、日本商工会議所は「委託生産者であることのチェックシート及び誓約書」のフォーマットを公開しました。こちらから確認頂けます。https://www.jcci.or.jp/gensanchi/itaku-seisansha-checksheet.docx
委託生産者として原産品判定依頼を行う場合には、当該チェックシート及び誓約書を日本商工会議所に提出する必要があります。
委託生産者の保存資料
委託生産者の要件を満たすことを示すために以下のような資料を保存しておき、問い合わせがあった場合には提出できるようになっておく必要があります。
- 委託契約書
- 製品の注文書・納品書
- 図面、工程表、生産仕様書
- 材料の手配書、伝票など
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FTA/EPA 特定原産地証明書 取得支援サービス(根拠資料の整備代行サービス)を活用して関税コスト削減
当社では、以下の役割分担に基づき、特定原産地証明書の取得をサポートしております。お客様は必要な情報を提供するだけで、当社が最適なアプローチを検討し、根拠資料の整備を代行いたします。
標準的なサポート内容
- 最適なアプローチの検討: お客様から提供された情報を基に、FTA/EPA特定原産地証明書取得に向けて最適なアプローチを検討します。
- 必要な書類一式の作成: 検討した最適アプローチに基づき、根拠資料一式を整備します。
- ガイダンス提供: 日本商工会議所のシステム上での作業ガイダンスを提供し、お客様が証明書を発行できるようサポートします。
プロフェッショナルな専門家コンサルタントに外注することで、お客様の業務負荷を軽減し、安心してFTA/EPAをご利用いただけます。検認や税関監査までサポートし、関税コスト削減に大きく貢献します。
積極的にFTA/EPAを活用して、関税コスト削減を実現しましょう。輸出や輸入者による自己申告も同様にサポート可能です。
ぜひ、当社のサービスをご活用ください。
作業ステップ | お客様に対応/提供いただく内容 | 当社サポート |
---|---|---|
1. 輸出製品のHSコード確認 | ・輸出製品情報 | ・HSコードの妥当性確認 |
2. 税率の確認 | – | ・通常税率 vs. FTA特恵税率比較作業 |
3. 原産地/品目別規則の確認 | – | ・原産地/品目別規則の確認 |
4. 戦略の検討 | – | ・最適なアプローチの検討 ・必要に応じ、原産品判定申請を行う単位(グルーピング※)検討 ※グルーピングとは、輸出製品の品番/SKU数が多い場合に一定数をカテゴリにまとめて管理申請する手法 |
5. 品目別規則に基づく根拠資料の作成 |
[全般] [関税分類変更基準で進める場合] [付加価値基準で進める場合] [サプライヤー証明書の取得が必要な場合] |
[関税分類変更基準で進める場合] ・部品へのHSコード付番 ・根拠資料(対比表等)の作成 [付加価値基準で進める場合] ・原産地観点から正しい販売価格、購入価格かどうか検証 ・根拠資料(計算ワークシート等)の作成 [サプライヤー証明書の取得が必要な場合] ・サプライヤーへの説明、根拠資料、サプライヤー証明書作成支援 |
6. 日本商工会議所関連作業①企業登録 | ・企業登録 | – |
7. 日本商工会議所関連作業②原産品判定依頼 | ・日商システムを通じた申請、受け答え |
・日商からの質疑への対応サポート ※当社の方で作業代行することも可能 |
8. 日本商工会議所関連作業③原産地証明書発給 | ・日商システムを通じた発給手続き | ※当社の方で作業代行することも可能 |
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当社の強み
当社は、関税関連業務の専門性(品目分類(HSコード)、FTA原産地管理、関税評価等)を有し、FTA/EPAの業務管理上求められる各協定の原産地ルール、その他関係法令等のコンプライアンスに基づき適正なアドバイスが可能です。また、数多くのクライアントに対してFTA/EPAの原産地業務上のアドバイスを行ってきた経験から、各社が抱える共通課題や、業界のベストプラクティスにも精通しており、個別企業の状況を勘案した上での実務に則した提言、ハンズオンでのサポートが可能です。
実績例:
(1) ITソルーション導入に伴うFTA原産地管理業務プロセス整備プロジェクト
(2) 本邦及び海外の生産拠点におけるFTA原産地管理業務プロセス整備プロジェクト
(3) 原産地管理の専門ユニットの立ち上げ支援
(4) 日本商工会議所からの原産地証明書取得及び根拠資料整備実務代行
その他EPA/FTA、原産地管理業務に関する参考情報
以下の記事・YouTube動画にて原産地管理の手順について説明していますのでご参考になさって下さい。
- EPA 経済連携協定(FTA)の使い方、原産地管理、原産地証明の取得方法
- YouTube – EPA/FTA 自由貿易協定の使い方、原産地管理、原産地証明の取得方法(実践ステップ編)
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当社は、個々の企業様の状況を鑑み、原産判定に必要な情報の整備(通関士有資格者によるHSコードの付番含む)から、原産判定、日本商工会議所への証明書発給申請までハンズオンでサポートしています。
また、継続的に企業様にてFTA管理業務が行えるよう、業務マニュアルの整備や、コンプライアンス体制づくりに係るコンサルティング業務も行います。
FTAを適切に管理するためには協定、関税法、HSコード等に関する専門知識が必要になることから、専門家に相談の上、しっかりと社内体制を確立されていかれることをお薦めいたします。
[FTA/EPA関連サービスページ]
FTA/EPA原産地管理の業務プロセス整備、社内体制構築サポート
FTA/EPA 特定原産地証明書の取得/自己申告支援サービス
[FTA/EPA関連ナレッジページ]
EPA/FTA 自由貿易協定の使い方、原産地管理、原産地証明の取得方法
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