はじめに

EPA利用時に日本商工会議所へ原産品判定依頼をすることができるのは、「輸出製品の生産者または生産者から提供された情報を有する輸出者」とされています。

一方、ものづくりの現場では、生産加工を別の会社に外注することは多々あります。例えば輸出者ではないメーカーで、設計・仕様を決定して材料も支給するが、生産工程は加工先に任せることがあります。このような場合において、確かに加工先は「生産者」であるものの、加工先に原産地判定依頼の業務も任せるというのはビジネス上依頼し難いということが往々にして発生します。

では誰が原産地判定依頼の業務を行えば良いのでしょうか。そのようなケースにおいて活用できるのが委託生産者という考え方です。つまり、前述のケースでは輸出者ではないメーカーが「委託生産者」となって原産品判定依頼を行うというものです。  

 

原産品判定依頼資格者と委託生産者の位置づけ

上記にて述べておりますが、原産品判定依頼を行うことが出来るのは、産品の生産者または生産者から提供された情報を有する輸出者のみです。国内の卸売業など、輸出者でも生産者でもない企業は、原則、原産品判定依頼を行うことはできません。

他社に生産委託を行っている場合、産品の原産性を証明することができる一定の条件を満たせば、「委託生産者」として原産品判定依頼を行うことが可能です。ただし、輸出者として原産品判定依頼が可能な場合、委託生産者の対象にはなりません。  

 

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委託生産者の要件

①生産に係る企画、仕様の決定を行っている

②原材料の調達、支給又は指定を行っている

③製造全般の管理・指揮等を行っている

生産者と同様に産品の原産性を証明できる委託生産者であることを確認するために、以上の3つの要件のいずれも充足する必要があります。要するに、原産地管理に必要な確かな情報を有しているか(有する立場にあるか)、という点がキーポイントとなります。

 

委託生産者であることのチェックシート及び誓約書

2022年4月、日本商工会議所は「委託生産者であることのチェックシート及び誓約書」のフォーマットを公開しました。こちらから確認頂けます。https://www.jcci.or.jp/gensanchi/itaku-seisansha-checksheet.docx

委託生産者として原産品判定依頼を行う場合には、当該チェックシート及び誓約書を日本商工会議所に提出する必要があります。

 

 

委託生産者の保存資料

委託生産者の要件を満たすことを示すために以下のような資料を保存しておき、問い合わせがあった場合には提出できるようになっておく必要があります。

  • 委託契約書
  • 製品の注文書・納品書
  • 図面、工程表、生産仕様書
  • 材料の手配書、伝票など

 

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当社の強み

当社は、関税関連業務の専門性(品目分類(HSコード)、FTA原産地管理、関税評価等)を有し、FTA/EPAの業務管理上求められる各協定の原産地ルール、その他関係法令等のコンプライアンスに基づき適正なアドバイスが可能です。また、数多くのクライアントに対してFTA/EPAの原産地業務上のアドバイスを行ってきた経験から、各社が抱える共通課題や、業界のベストプラクティスにも精通しており、個別企業の状況を勘案した上での実務に則した提言、ハンズオンでのサポートが可能です。

実績例:
(1) ITソルーション導入に伴うFTA原産地管理業務プロセス整備プロジェクト
(2) 本邦及び海外の生産拠点におけるFTA原産地管理業務プロセス整備プロジェクト
(3) 原産地管理の専門ユニットの立ち上げ支援
(4) 日本商工会議所からの原産地証明書取得及び根拠資料整備実務代行

 

その他EPA/FTA、原産地管理業務に関する参考情報

以下の記事・YouTube動画にて原産地管理の手順について説明していますのでご参考になさって下さい。

 

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当社は、個々の企業様の状況を鑑み、原産判定に必要な情報の整備(通関士有資格者によるHSコードの付番含む)から、原産判定、日本商工会議所への証明書発給申請までハンズオンでサポートしています。

また、継続的に企業様にてFTA管理業務が行えるよう、業務マニュアルの整備や、コンプライアンス体制づくりに係るコンサルティング業務も行います。

FTAを適切に管理するためには協定、関税法、HSコード等に関する専門知識が必要になることから、専門家に相談の上、しっかりと社内体制を確立されていかれることをお薦めいたします。  

 

[FTA/EPA関連サービスページ]

SKアドバイザリーのFTA/EPA・関税サービス

FTA/EPA原産地管理の業務プロセス整備、社内体制構築サポート

HSコード(品目分類/税番分類)の判定サービス

FTA/EPA 特定原産地証明書の取得/自己申告支援サービス

FTA/EPA 簡易ヘルスチェック | 現状診断と課題抽出

 

  [FTA/EPA関連ナレッジページ]

EPA/FTA 自由貿易協定の使い方、原産地管理、原産地証明の取得方法

FTA-1ポイント:品目別規則(PSR)

FTA-1ポイント:関税分類変更基準(CTCルール)

FTA-1ポイント:付加価値基準(VAルール)

FTA-1ポイント:必要となる根拠資料

FTA-1ポイント:証明方式の違い(第三者/自己証明等)

FTA-1ポイント:生産情報の重要性について

FTA-1ポイント:検認 verification

FTA-1ポイント:インド向けEPA対応

FTA/EPA 参考情報まとめサイト        

 

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